クレメンテは素晴らしい画家だと僕は思う。イタリアの3Cとして、ニューペインティング(もう二十年になるんだ…)80年代にスターダムに登場したイタリアの画家である。イタリアの3Cとは、フランチェスコ・クレメンテ、エンツォ・クッキ、サンドロ・キアの彼らは、70年代後半から台頭し、Transavangurdia(トランスアヴァンギャルディア)という、非ヨーロッパのイメージを引用したアーティストたちである。その後のポップな観点からの、イメージ引用ブームのさきがけとなった。特にクレメンテは東洋の思想が感じられ、わたしたちに親しみやすい。
僕はニューヨークの出張中に忘れていた友人にふと出くわすみたいに、ハローと声をかけたくなるような感じで写真を撮った。うーん、今見ても新鮮だなと思うし、ぐにゃぐにゃとしている身体のフォルムが僕の気分である。
ぜひ青山ブックセンターあたりの画集の棚を覗いてみてください。80年代ブームはファッションだけじゃないかもね。
※写真はニューヨークの59thにあるHudsonというPスタルクがデザインしたホテルで撮りました。
http://www.hudsonhotel.com/www.hudsonhotel.com
<tokyotaro>
ルイ・ヴィトンのさくらんぼ
フランスの老舗ブランドがこんなに売れる都市は、世界でもほかにないでしょう。もともと、ルイ・ヴィトンは十九世紀末にフランスで展示された日本のデザイン・ジャポニズムを基本にして、一松模様をやってるんですから日本人に受け入れられるのも理解できますが…。
デザイナーのマーク・ジェイコブスの服はあんまり人気ないですが(僕はそう思うけど)、アーティストの村上隆がコラボレートした鞄は大人気ですね。いま六本木ヒルズの店内には「さくらんぼ」の彫刻と鞄がさりげなく飾られています。
村上氏は日本画を現代に翻案し、「スーパーフラット」という概念で、いわゆる「アニメ絵」で欧米のアート業界に挑戦している男です。つまりは、「アニメ絵」は現代の「浮世絵」であり、秋葉原のおたくは、江戸時代の歌舞伎のひいき筋みたいなものなんですね。そう思うと、歴史は糸でしっかり繋がっています。
戦前は、古川の下から歌舞伎座まで船で出かけたそうです。いまでは高速道路が頭上に張りめぐり、暗渠のようです。(悲) 蓋し、おたくの船・川はネットなんでしょうね。
東京はどこにあるのだろう。
東京はどこにあるのだろう。
東京で生まれてしばらくは東京の近郊に住んでいたので、東京という場所は「出る」場所だと長らく思っていた。電車で一時間もかからないのだけど、東京に「出る」と母も言った。
東京はどこからが東京で、どこからが東京でないのだろうと、僕は考えた。きっと境界線は…。<中略>
子供の頃、郊外に越したものの生まれた街へ戻り、僕はこの十年くらいはずっと東京に住んでいます。汐留のシオサイト、六本木のヒルズと街はさまがわりし、高層ビルがそびえる街になっていくんだなあと感慨深く、まさに失われていく光景を思い出し、そして忘れるばかりです。番町や、麻布の屋敷跡がマンションになり、長く静かでありながら力強い石壁も壊され、遺されるのは空き地と保存樹木。子供の頃、都電が走っている銀座通りやゴジラが壊した日劇を知っている僕にとって、東京の原風景は70年代なのでしょう。それにしても、知っている街が怪獣でなく、時に壊されるとは子供の頃は想像もできませんでした。
月日は百代の過客にして、行かふ年もまた旅人なり <芭蕉>
都会に住むというのは、失われる記憶と不眠不休で更新される情報の洪水のなかを、サーフィンするようなものです。だからこそ、コンテンポラリーな東京の日記を残してみようと、プログをはじめました。
ヨロシクオネガイシマス。<tokyotaro>
※写真は十九世紀の麻布十番周辺(赤羽橋)の浮世絵です。
