株という魔物とデイ・トレーディング

dost
『賭博者』というドストエフスキーの小説に克明に書かれているように、人は賭け事の熱気に翻弄されて我を失ってしまう。
公式には賭場は禁止されているが、さまざまな金融商品とネット売買の進歩に伴って、株式市場はヴァーチャルな賭場の様相を呈している。証券会社が提供するネットツールの点滅する気配値をにらみながら、目と指先に神経を集中する。その指先の向こう側では、白熱する市場がネットとともに連結し、その波動が肉体を蝕む。
特に、信用で売り・買いの瞬間の恍惚感と、身投げをするような高揚感を感じる時が恐ろしい。
白熱している株で、一瞬で10%以上も値が変動する時は、まるでジェットコースターが落ちていく感覚でしかない。先週からの三菱関連株の乱高下は、まさにその熱狂を感じる場だった。
百万円ももとでがあるなら、数十万から数百万の金を一瞬で儲けられるし、また失う。
追証に追われて、キャッシングをするものもいるだろう。掲示板では、数千万の損失を出した個人の書き込みもあった。
怖いと思うと、平気で人は暴走する。まるでチキン・ゲームのように誰が先に降りるのかを見極める。
と言う私も、落ちていく株価を眺めながら、頭が白くなり、指に電気が走った。
儲けるためだけでなく、この高揚感を感じるために投機している者も少なくないだろう。
そんなことを思いながら、己の臆病さに腹が立ち、今晩も酒を煽るしかない。<tokyotaro>

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