
フランス ボルドー・ポイヤックの著名なワイン醸造元である、CH.ランシュ・バージュ。オーナーであるジャン・シャルル・カーズ氏のテースティングツアーが開催されるというので、晩に丸の内のエノテカへ出掛けた。60名の定員が一杯であり、予約も困難だった。周りを見回すと、30代後半から50代の女性が多い。皆、ワインスクールの生徒繋がりで来ているかのようである。残りはぱらぱらと酒業界関係者のような人、女に連れられて来た男、または私のように興味本位で来た素人という具合。
私が参加した理由は、幾度かCH.ランシュ・バージュを飲んでいたが、(勿論良いワインという印象だったけど)巷で言われる完璧な状態のものだったのかと疑問を抱いてきたからだった。
1990年、1999年、2003年のCH.ランシュ・バージュを試飲できる他、ブラン・ド・ランシュ・バーシュ、CH。オーバージュ、CH.レゾルム・ド・ペズの合計6銘柄を味わう。特にCH.ランシュ・バージュの垂直試飲をベストコンディションで経験し、初めてテロワールというものと、ブーケについての理解を深めることが出来たのは幸運だった。
90年はカルベネソーヴィニオン独特の力強さが漲り、タンニンと酸味のバランスが見事だった。しかし派手な感じはなく、上品なヴィンテージである。ベリー、杏、葉巻、鉛筆の匂いが複雑に現れると同時、まるで草花の溢れる欧州の古城を散策しているような心地になった。が、99年はまるでその古城がスクリーンの向こう側に消えてしまい、茫漠とした感が否めない。03年は将来ここが素晴らしくなるのが約束されているように、タンニン、酸味が力を秘めているが、まだ開花していない。
いままでテロワールの意味は知っていたが、まさに同じ場所=土地なのだということを実感したのは初めてだった。
やがてジャン・シャルル・カーズ氏が現れ、スピーチが始まる。彼は4代目当主であり、白を担当しているそうだ。昔は1ガロン家族向けに白を25ケース作っていたけれど、知人に配布しているうちに好評になり、やがて役人にワイン法に違反していると指摘され、そこから商売のレベルまで拡張したのだと言う。
確かに白も上品であるながら力強く素晴らしいが、僕は同じ白ならばアローホが良いかなと思う。90年のCH.ランシュ・バージュ(赤)には唯一無二であることは疑いの余地がないのだが。tokyotaro
ジャン・シャルル・カーズ氏のテースティングツアーに参加する。
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