キース・ジャレット。現在最高の音楽を聴く

jarrett
耳を澄ますと、いまでもキースの弾いた旋律が聴こえてくる。
10月にキース・ジャレット氏が来日し、大阪と東京でソロ・コンサートを開いた。主催者の鯉沼ミュージックによると、キースがソロコンサートを開くのは、今では日本だけらしい。キースの独特な瞑想を誘う旋律にとって、その即興音楽を生成する場に日本人の感性の方が適してると、彼が考えているからだそうだ。しかし、今回の大坂公演では残念な事件が起きたらしい。ケータイと咳・くしゃみによって公演がストップした。キースは観客に言った、『日本人がその精神を失って、欧米化していくのは残念だ』と。
キースのソロは、完璧な即興音楽である。ジャズピアニストというカテゴライズでは困難なほど、ジャズ、クラッシック、現代音楽を横断した音楽性。 繊細な感性、肉体が音を紡いでいく現場、幸運な観客はそのプロセスを体験する。そして二度と、その旋律は繰り返されない。『ケルン・コンサート』のような名曲であっても。
だからこそ、真摯に聴いていく姿勢は大切である。
キースは慢性疲労症候群から立ち直るまで、相当に苦しんだと思う。その苦難の痕跡を感じるアルバムがある。スタンダード・ナンバーを弾いた『Melody Night at wiuh you』(写真のアルバムです)。東京のコンサートでは、そのなかで弾いているビル・エバンスの『Porgy』を、アンコールで披露した。
コンサートで涙を流したのは初めてだった。キースのコンサートを聴くのは、ソロでは二回目だった。そして最高の一夜だった。<tokyotaro>

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